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鍼灸治療は体質、身体の状態を見極めることから始めます。

私たちの身体は「気」「血」「水」の3つの要素で構成されています。

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この3つの要素は絶妙なバランスを保ち

全身を巡り私たちの活動をコントロールしています。

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水のはたらき
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「気」「血」「水」のどれかが不足したり、巡りが悪くなると、

身体全体のバランスが崩れ不調が現れると考えます。

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女性の身体は初潮、月経、妊娠、出産、閉経と一生を
「血」に左右されているため、
「血」の影響を受けやすい身体になっています。

その為、「気」「血」「水」の中でも「血」は
女性の身体にとっても重要な働きをすることになります。

「血」の中でも詳しく分類すると2種類の体質タイプがあります。

東洋医学では
「瘀血(おけつ)」「血虚(けっきょ)」と言われるものです。

その原因は

  • 子宮(子宮と周辺臓器、または内臓)の冷え
  • 腎の働きの低下 •脾胃の働きの低下
  • 卵巣の働きの衰え

などが考えられます。

 

女性の身体

女性に多い体質、身体の状態のひとつ瘀血。

「気」「血」「水」の「血」の流れが悪く、身体の中で滞っている状態。

月経にて排出すべき血液が排出されず身体の中に残ってしまったもの、
打撲や捻挫などで生じるうっ血も瘀血の仲間と考えます。

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東洋医学的な瘀血になる原因

気滞≒ストレス

冷え(五臓でいうと腎虚、脾虚、体質的に陽虚)

※東洋医学用語

  • 「気」とは東洋医学において生命エネルギーを表すもので、身体を構成する大事な要素の1つです。(他2つは血と水)

    この「気」は経絡(身体の中に通る気血の通り道)を通り、身体の中を巡り、人間の生命活動(成長、発育、生殖)を支えるエネルギーのような働きをしていると考えられています。

    【気滞】とは身体の中で「気」がうまく流れないこと。

    【気滞】になると 精神的な側面では 不安、あせり、憂鬱、イライラ

    体調面では 胸がはる、吐き気、動悸、めまい、のぼせ、ゲップ、喉が詰まった感じ
    などの症状が現れます。

  • 腎の機能が低下した状態
    五臓の腎のページ参照

  • 脾の機能が低下した状態
    五臓の脾のページ参照

  • 陽虚とは陽気(身体を温める力)が不足してるため、冷えやすく、温まりにくい状態。
    冷えることで体調が悪くなりやすく、温まると調子が良くなる。
    「気」が漏れやすいために
    倦怠感、下痢、足のむくみ、食欲不振、消化不良
    などの症状がでやすい。

一般的な瘀血の原因

ストレス、運動不足、食生活の乱れ

瘀血かどうかのチェック【月経について】
  • 月経血の色が黒ずんだ赤
  • 月経血多めで7日以上だらだらと続く
  • 月経血は粘りが強く、塊が多い
  • 月経痛有り(いつも同じ場所が刺すように痛い。夜間に痛みが増す)
  • 月経前後に頭痛がある
  • 月経前にお腹が張る(月経が始まるとおさまる)
  • 月経が始まりそう!と思ってからが長い
  • 周期は遅れ気味
瘀血かどうかのチェック【月経以外の特徴】
  • 顔色がくすみ、シミソバカスが増えた
  • 目の下にくま
  • 日焼け跡、火傷跡
  • 歯茎、唇の色が紫がかっている
  • 慢性的な肩こり、頭痛
  • 冷え性(手足、お腹、腰)
  • 冷えのぼせ
瘀血のその先(起こりやすい疾患)

子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、卵管癒着、不育症

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もうひとつの血のトラブル、血虚について。

血虚とは「血」の不足。

全身に栄養が行き渡らず身体は全体的に弱り、五臓(内臓)の機能も低下します。

精神面も不安定になります。
(集中力の低下、気の沈み、不眠)

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東洋医学的な血虚になる原因

生成不足と消耗

  • 栄養不足(ダイエットなど摂取不足)
  • 脾胃の機能低下(脾胃が食べ物から栄養を消化吸収して、血を生成している)
  • 肝の機能低下(肝が寝ている時に血を貯蔵している)
  • 過労、ケガ、出産による血の消耗
  • 慢性的病による血の消耗
血虚かどうかのチェック【月経について】
  • 月経血の色が薄い
  • 月経血がサラサラしている
  • 量も少なく、日数短め
  • 月経後ぐったり疲れる
  • 月経中眠い
  • 月経周期40日以上、大幅に遅れることもある
  • 月経終わり頃に月経痛があったり、腰が重だるくなる
血虚かどうかのチェック【月経以外の特徴】
  • 顔色が悪い
  • 疲れやすい
  • 立ちくらみ、動悸
  • 不眠気味
  • 肌荒れ
  • 髪にツヤがない
  • 疲れ目
  • 手足の痺れ
  • 物忘れ
  • 集中力の低下
  • 落ち込み気味
血虚のその先(起こりやすい疾患)

無月経、稀発月経、月経不順、無排卵周期症、不妊症、PMS、不眠症、多嚢胞性卵巣症候群

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五臓について

五臓(五臓六腑)とは今で言う内蔵のことですが、東洋医学と西洋医学では臓器の概念が異なります。

 東洋医学でいう臓腑は内蔵としての機能だけでなく、身体にとって役割を持ち、
マインド面にも影響を与える存在だと考えられています。

kotoriの鍼灸ではこの「五臓」の考え方を元に施術を行いお身体の不調にアプローチ致します。

肝(かん)

「気」「血」の流れをコントロールしている。
血流量を調節したり、血液の解毒をしている

心(しん)

全身に「血」を送り出すポンプ的な役割をしている。

脾(ひ)

食べ物から栄養分を作り出し、全身に巡らせている。
「血」が体外に漏れないようにしているのも脾の働きによる。

肺(はい)

呼吸によって新しい「気」を体内に取り入れ
汚れた「気」を排出させている。 「気」「血」「水」を全身に行き渡らせている。

腎(じん)

体内の「水」を代謝させている。
成長、発育、生殖をつかさどる。

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かん

暴飲暴食が続けたり、疲労が蓄積しすぎると肝に負担がかかり、
炎症を起こします。また「気」はのぼせ、「血」が不足することにより様々な不調が現れます。

  • 口の中が苦く感じる
  • 脇の痛み
  • お腹が張る
  • めまいや嘔吐
  • 耳鳴り
  • 喉が詰まったように感じる
  • 目の充血、乾燥 •寝汗
  • 喉が異常に乾く
  • 月経量の不足
  • 無月経 

マインド面への影響

  • イライラと怒りっぽくなる 

しん

精神的ストレスや長く緊張状態が続いたり、強いショックを受けたり、継続的な睡眠不足、また栄養不足や逆に栄養過多で「心」は負担を受けます。

身体にとって(「心」にとって)興奮が過多になると

  • 発熱
  • 動悸
  • 不眠
  • 口内炎
  • 舌の炎症
  • イライラや不安

などの症状が起き 悪化し
「血」の不足により

  • 自律神経の乱れ
  • 不眠症
  • ほてり
  • 口や喉の渇き

などの症状が現れ
「気」の不足によって

  • 神経衰弱
  • 健忘症
  • カラダの冷え
  • 寒気、顔面蒼白

などの症状が現れる。

マインド面への影響

  • 感情の起伏が激しく不安定になる
  • 興奮を求める 
 

暴飲暴食(食事の不摂生)によって胃腸に負担をかけたり、湿邪の影響を受けることにより「脾」は負担を受けます。

 「気」(脾の気)が不足すると 消化機能が弱まり

  • 膨満感
  • 下痢
  • 内臓下垂(特に胃下垂、子宮下垂)
  • 不正出血
  • 鼻血

などが起こりやすくなり
湿邪により、水の代謝が悪くなると

  • むくみ
  • 倦怠感
  • 軟便
  • 腹部の冷え
  • 皮膚トラブル(湿疹、吹き出物)

などが現れます。

マインド面への影響

  • 憂鬱な気持ちになりやすい
  • 不安感(マイナス思考) 

はい

冷えや乾燥、外部からのウィルスによって肺は負担を受けます。

  • 鼻水
  • くしゃみ
  • 喉の渇き
  • 喉の痛み

から始まり、悪化していくと

  • 発熱、頭痛
  • 咳、痰
  • 喘息
  • 呼吸困難
  • 肺炎

「気」(肺の「気」)が不足すると風邪をひきやすくなり

  • 寒気
  • 疲れやすい
  • 息切れ

「水」の不足により

  • 異常な喉の渇き
  • 乾いた咳
  • 乾燥による皮膚トラブル

などの症状が現れます。

マインド面への影響

  • 自虐的になる
 

じん

カラダの冷やしすぎ、過労、睡眠不足、過度の性行為、恐れを伴うストレス、お酒の飲み過ぎにより「腎」は負担を受けます。 腎の機能のうち、成長、発育、生殖を「命門(めいもん)」という場所がつかさどると言われてます。

命門の働きが悪くなると

  • 不眠
  • 多夢
  • 精神不安
  • のぼせ、耳鳴り

気(腎の気)が不足することによって

  • 足腰の冷え
  • 頻尿
  • 膀胱炎、腎炎
  • ギックリ腰
  • 老化(白髪、歯が抜ける、足腰が弱くなる、耳が遠くなる)
  • 不妊

腎による水の代謝が悪くなることで

  • のぼせ、めまい
  • 耳鳴り
  • 寝汗
  • 発熱

などの症状が現れます。

マインド面への影響

  • 恐怖感に支配されやすい